長い目で見たダイエット

  1. すばらしい脂肪細胞
  2. 細胞がさらに脂肪を蓄える
  3. 良い食事
  4. 良い時間
  5. 良い量
  6. 良い運動
  7. 痩せた状態を維持するダイエット

すばらしい細胞、脂肪細胞

自分の体の脂肪細胞を嫌悪しないでください。

それらはすばらしい細胞なのです。
それらの細胞は重要な機能を果たすように設計されています。

糖や脂肪酸から脂肪を造るのです。脂肪を蓄える場所が必要になると、それ自体が大きくなります。
もっと必要になると、新たに細胞を造り、そこに脂肪を満たします。エネルギーを脂肪の形で蓄える驚嘆すべき細胞です。
それは脂肪細胞の特性なのです。

肝臓はエネルギーを貯蔵する媒体としてのグリコーゲン1ポンド(約450g)に250カロリーしか収められないのに対し、脂肪細胞1ポンドの中には3,500カロリーも蓄えられます。

脂肪細胞はまた、重要な器官を保護します。
備蓄エネルギーを放出し、それを体内で働く細胞に燃料として供給します。
緊急事態の知らせを受けた時には一斉に活動します。
命が脅かされているという知らせが送られてきたら救命措置をとり、脂肪の蓄積を始め、迫り来る危機に備えて保存します。

急なダイエットの危険 急激な食事制限によって、脂肪細胞がさらに脂肪を蓄える

まだ完全には理解されていないものの、体の免疫機構の中で脂肪が重要な役割を果たしていることは明らかになっています。

脂肪細胞は偽の知らせを受けて、危機的な事態になったと思い込む場合があります。
思い切った食事制限をすると、脂肪細胞には体が飢餓状態になりそうだ、餓死しそうだというのと同じ知らせが伝えられることがあるのです。

脂肪細胞は脂肪を分解するどころか、実際には保存し、カロリーの放出をほんの少量に抑えるようになります。
しかし、脂肪細胞にはその違いを見分ける術がありません。
反応するよう設計されたとおりに反応するだけです。
現在の必要よりも将来のもっと危機的な必要を予見してエネルギーを蓄えます。

食事制限の頻度が高くなればなるほど、つまり体が飢きんの状態を頻繁に感じれば感じるほど、それだけいっそう脂肪細胞は自らの貴重な原料を手放そうとしなくなるのです。

体も筋肉をブドウ糖に変えることによって当面の危機に対処しようとします。
脳にはそのブドウ糖がなければなりません。
さもなければ、体全体が機能を停止してしまうでしょう。

でも、減らしたいのは筋肉ではありません。
脂肪です。思い切った食餌制限をしても勝ち目はありません。

では、どんな方法があるでしょうか。
勝ち目のある方法とは、「よい食物」を、「よい時」に、「よい量だけ」食べ、「よい運動」をすることです。

良い気持ちも必要でしょう。
減量しようとする人が自分で決めなければなりません。目標に到達できるかどうかは自分にかかっています。


ダイエットに成功する四つのポイント1 良い食事

良い食事
カロリーが高く栄養価の低い食物は、減量しようとする人にとってふさわしい食物ではありません。
脂肪類と単糖類は、カロリーはありますが、滋養分はありません。

体重調整にも栄養補給にもふさわしい食物とは、より複雑な炭水化物、果物、野菜などであり、肉類で好ましいのは魚肉や鳥類の肉です。

ある百科事典にはこうあります。
「減量のための別の基本的な取り組み方は、精製されていない食品、栄養価の高い、加工されていない、天然の食品以外の食物をすべて自分の食事から除外することである。
人体には常に、食物からのエネルギーに加えて、体の働きにあずかる、また体の細胞を修復したり更新したりする、適量のタンパク質、脂肪、ミネラル、およびビタミンが必要である。
加工されていない食品を食べるときは、実質のないカロリーではなく、必要な栄養素を摂取していると考えてよいだろう」。

ダイエットに成功する四つのポイント2 良い時 ダイエットに良い時とは

良い時
テレビを見ている時は、ダイエットに良い時ではありません。
何かをつまんでは食べ、それが何時間も続いてしまいます。
恐らく、油っこいポテトチップ、砂糖のたっぷり入ったクッキーや菓子類を食べて実質のないカロリーがいつの間にか何百カロリーにも達してしまうでしょう。

油と食塩は風味を添えて後を引き、砂糖は甘党の人の味覚を喜ばせるため、この間食はなかなかやめられないのです。

もし1日に取る食物の量を減らすことなく、食事の回数を増やして1回の分量を少なくするなら、体に脂肪が蓄積する傾向は抑えられるとも言われています。

また、一番大切な食事、つまり人の一日で一番カロリーを摂らなくてはいけない食事は朝食である、ということも分かっています。

ダイエットに成功する四つのポイント3 良い量 ゆっくりと減量する

良い量
いろいろな種類の食物を十分に食べるようにしましょう。
食事の量を切り詰めて脂肪細胞をあわてさせるとどんなことになるでしょうか。

減量の実験で、ネズミに餌を1日1回しか与えないで観察したところ、その期間中に、脂肪を蓄積させる働きをする酵素が10倍に増えました。
その報告はこう述べています。「それはあたかもネズミの体が、『こういう緊急事態が再び生じる場合に備えて、今度また食物が得られた時にはいつでもすぐに余分の脂肪を蓄えるぞ』と言っているかのようだった」。

ですから、もし食事制限をしなければならないのであれば、断食する、あるいは食事を1日1回だけ(本質的には23時間の断食)という方法で制限してはなりません。
ゆっくりした減量で満足することです。
週に約0.45キロかその半分でもいいのです。

長い間に脂肪が付いてしまったのですから、時間をかけて減らしてください。
それで、十分に食事をして脂肪細胞をリラックスさせておき、脂肪細胞自体のカロリーを少しはその大義のために使わせるようにするのです。

しかし、大食してはいけません。適度の食事で十分です。時の経過と共に、少しの食事で十分になります。
年を取ると筋肉細胞が減り、その分だけ脂肪細胞が増えます。
この筋肉の部分が一番多くのエネルギーを必要とするので、その部分が少なくなれば、エネルギーの必要も少なくなり、新陳代謝も緩慢になります。

それに応じて食事の量を減らさないなら、脂肪がたまってゆきます。

ダイエットに成功する四つのポイント4 良い運動 ゆっくりと減量する

良い運動
肥満の究極の治療法は運動です。
データが示すところによると、体に酸素を消費させる効果が現われるまでには、少なくとも20分間運動を続ける必要があります。

どのような運動がいいのでしょうか。
それは心臓の鼓動を速めさせる継続的な運動で、それによって相当量の酸素を体に送り、脂肪を燃焼させます。
この種の運動で代表的なものは、ジョギング、縄跳び、自転車をこぐこと、早足で歩くことなどですが、そのような運動計画を実施する前に、医師に相談して指導してもらうのは良いことです。

ある医師はこう述べます。
「減量するためなら何でもする、本当に何でもするとよく言う肥満の人たちのことで残念なのは、彼らが自分に幾らかでも益になるある事柄を行なおうとしないことである。彼らは本当の運動をしようとしないのである」

長持ちするダイエットのために

減量するためには我慢強くなければなりません。

体重が増えるには時間がかかったのですから、減量するにも時間をかけてください。
目標に向かって着実に進むことです。

食事や運動が毎日少しでもうまくゆけば、やがて弾みがついて楽に行なえるようになり、理想とする新しい自分になってゆきます!
脂肪を減らし、減量成功を喜びましょう!

無理なダイエットでかえって太りやすくなることも。
ゆっくり長い時間をかけてダイエットすることも大切。