腰痛で腰が痛い

  1. 概要
  2. 原因
  3. 改善
  4. 治療
  5. 予防

腰の痛みとは

腰の痛みはとても厄介なものです。
痛みによって歩くこと動くことが億劫になります。
結果として体力が落ちたりすることにもなります。
そうなると腰痛だけの問題ではなくなってきます。

腰痛を科学的に研究している医師の統計によれば、過去10年間に世界で腰痛を患った人は20億人に上るそうです。
また、人間の8割の人は活動的な生活を送っている期間中いつかは、ある程度の腰痛を経験するとも言われています。

そして気がつくと痛みの悪循環に陥っている場合があります。
腰痛によって不安を感じますが、そのために今度はもっと激しい痛みの起こる場合があります。

そして最大の問題は、家族や友人に理解してもらえなかったりすることかもしれません。
痛みは外から見えないために、誤解されてしまうこともあるのではないでしょうか。

腰の痛みの原因

腰痛は整形外科的な病気だと思われがちです。
しかし、内臓の病気からくる腰痛もあります。
さらにストレスによって腰痛が起きることもあります。

今回は腰痛の原因として多く見られる椎間板ヘルニアを取り上げたいと思います。

椎間板ヘルニアは腰痛の主因になっています。
椎間板内部のスポンジ状の部分は、20歳になるころには水分を失いはじめ、弾力もなくなってくるので椎間板は縮んできますが、そのために痛むことは普通ありません。

しかし、人によっては、スポンジ状の部分がヘルニアになる、つまり外側に一部飛び出して激痛が起こることもあります。

そのように椎間板が変性を起こすことによって、それがいったん限度を超えると、ほんのちょっとしたストレスでも傷ついてしまうことになります。

椎間板は脊椎骨(背骨を構成する骨の最初の24個)の間で衝撃を吸収する働きをしています。
脊椎骨が積み重なって脊椎管ができていて、その中を脊髄が通っています。

二つの脊椎骨の間は少し間があり、神経根と呼ばれる神経の束がその間から脊椎管の外へ、両側に1本ずつ出ています。
椎間板がヘルニアになると、特定の神経を圧迫することがあります。そうなると、神経の信号が妨げられる事になります。

例えば、座骨神経根に圧迫が加わると、座骨神経痛として知られる激痛の起こることがあります。

座骨神経痛は多くの場合には、腰部から始まり、臀部、大腿部の裏側に行き、ときにはふくらはぎや足にまで広がる事があります。
座骨神経痛では、影響を受けた足に、ぴりぴりした感じ、しびれ、筋力低下などの症状が出ることもあります。

また、腰のすぐ下の部分には膀胱と腸に情報を送る神経の束があり、それは馬尾と呼ばれています。
椎間板がその馬尾の神経根を圧迫すると、排尿や排便に支障を来たします。

そのような症状が見られる場合は、重大な問題が起きていることもあるので、直ちに医師の診察を受けるべきです。


腰の痛みの改善

大抵、腰痛を起こしやすくなる原因はおもに次のようなものがあります。

1.悪い姿勢
2.太りすぎ
3.筋力が弱い
4.ストレス

この四つが主な原因です。

座る、立つ、物を持ち上げるなど、日常の動作でも正しい姿勢で行なわなければ腰痛の原因になります。

正しい姿勢は、「一見良く見える姿勢」ではありません。
それは背骨がゆるやかなS字を描いた姿勢であり、骨格が正しい位置に収まっている姿勢であるといえるでしょう。

ですから悪い姿勢を矯正すると姿勢から来る痛みの取れることがあります。

しかし矯正しないなら、いつも姿勢が悪いために、時間がたつにつれて関節の構造が変化し、すり減りすぎてしまう結果、関節部分が早く老化することにもなります。

体重が重すぎる、特に腹部に肉が付きすぎていると、背中を支えている筋肉に負担がかかります。
定期的に体操をすることは背中の状態を良く保つ秘訣です。

ストレスがあると腰痛が起きやすいと考えられています。
緊張が解けないと筋肉が硬くなるので、腰痛になる人もいます。
ストレスをうまく処理したり、なくしたりすれば、腰痛が回復する場合もあります。

その他にも腰痛の原因として
5.姿勢
があります。

長時間座る仕事、長距離の旅行をすると腰に無理な負担がかかるでしょう。
座ると多くの体重が腰にかかります。いすに背もたれがない場合、腰にかかる負担はさらに大きくなってしまいます。
一定の時間がたったら、数分間、立ったり歩いたりするとよいでしょう。

重い物はもちろん、たとえ軽い物でも、何かを持ち上げる時には背筋を使わないようにしなければなりません。
力が全部背筋にかからないように、ひざを曲げて持ち上げるのが良いでしょう。

不自然な姿勢で働く人も腰の問題を抱えやすいと考えられます。
ラインで働く、看護師、農作業をする人は、長時間前かがみの姿勢で働かなければなりません。
できるだけ腰を悪くしないために定期的に休憩したり姿勢を変えたりすることができます。

長い時間立っている人は、足を置くものを使って片方の足を少し高くし、腰をまっすぐにするとよいと言われています。

腰の痛みの治療

筋肉が原因で腰痛になった人の場合は、安静にすること、温めること、マッサージ、体操などを勧め、まず消炎鎮痛剤を飲むように勧められます。
しかし薬を使う時には副作用についても医師と相談すると良いでしょう。

また、脊柱矯正療法(カイロプラクティック)の治療に通うと腰が楽になったり痛みが取れたりするかもしれません。

椎間板ヘルニアでは、手術の必要なこともあります。
手術が必要だと言われたなら、もう一人か二人の医師に意見を求めると良いでしょう。

腰の痛みの予防

腰痛の予防に役立つことはたくさんあります。

●物を持ち上げる時、体を急にぐっと動かさない。腰を曲げるのではなく、ひざを曲げる。
●重い物を持ち上げる時は手伝ってもらう。
●荷物を幾つか運ぶ時は、左右にバランスよく持つ。重い物を一つ運ぶ場合には両腕を使い、体の前面に引きつけて運ぶ。片腕に持って運ぶ場合は左右交互に持ち替える。
●自動車のトランクから荷物を取り出す際には、荷物を体に近づけておいてから持ち上げる。
●掃除機をかける場合、柄の長い掃除機を使う。家具の下などに掃除機をかける時は腰を曲げないで、片ひざをつく。前かがみになる必要のある時はできれば、片方の手でどこかにつかまって体を支える。
●庭仕事の時には腰をおろして行なうようにする。仕事も小分けして一度に長い時間行なわない。立っている時は前かがみにならないようにする。
●1日に10分から15分でも定期的に体操をする。年配の人は軽めの体操にする。
●車を長距離運転する時は定期的に休憩する。座席の座り心地が良くない時は、腰部とぴったり合わなくて透き間のできている部分にクッションを当てる。
●硬い地面でジョギングをしないようにし、運動靴を履く。
●いすやソファーに座る時にはクッションか何かで背中を支える。脚の力を使ってゆっくり立ち上がる。
●何時間も座るときには、背もたれの付いたいすを使い、ときどき立ち上がって、動き回る。
●ハイヒールを履かなければならないなら、いつでも履き替えられるよう、もっと楽な靴を持ってゆく。

腰を痛める原因について知っておき、予防できる点は改善する。
治療によってさらに悪くなることがないように専門家に相談する。